もんの「絵本で子育て」風景

絵本講師の川口結実です。絵本からお話・物語の魅力に目覚めました。今までの我が家の絵本で子育て風景や、絵本にまつわる様々な所感を綴ります。

なぜ絵本講師になったのか?

NPO法人「絵本で子育て」センター所属 絵本講師の川口結実(かわぐち ゆみ)です。

2009年に絵本講師の資格を取得しました。講師活動は9年目を迎えました。

今まで複数ブログを作ってきたのですが、2018年3月以降はこちらに統一することにしました!よろしくお願いします。

 

さて、今回はなぜ絵本講師になったのか?をご紹介します。

私は、子どもの頃に家庭で絵本を読んでもらった記憶が全くありません。

実際、読んでもらっていなかったと思います。3姉妹を育てながら、両親はどちらも働いていました。2つ違いの子ども3人を育てながら仕事も、それはそれは大変だったでしょうね。

 

家庭では読む機会はないものの、0歳児から入園した保育園では頻繁に読んでもらっていたようです。

小学校に入ると、最初こそ絵本は読んでいたものの、児童書を読む時期にさしかかるとだんだん読書から遠ざかっていきました。多分、読書を「義務」に感じていたのでしょう。朝の読書や夏休みの感想文・・・嫌いになる理由は揃っています。

そして、大人になるまで本で物語を楽しむことはあまりありませんでした。勿論、0でえはないでしょうが、記憶は僅かしか残っていません。

 

「私は本が好きじゃなかったから、子どもには本好きになってほしい。」長女が生まれてからは、こんな理由で絵本を読むようになりました。読書が好きな子になってほしかったのですが、実はちょっと「よこしま」な動機でした。頭が良い子になりますように、という感じの。

 

教育目的で絵本を読み始めたものの、だんだんと目的から外れていきました。絵本を読んでいる時の、子どもとのやりとりがだんだんと面白くなってきたのです。

たとえば、「おひさま あはは」前川かずお(こぐま社)

 

「おひさまが あはは」満面の笑みを浮かべたところから、お話は始まります。

生き物たちが屈託のない笑顔を浮かべる絵が続いたあとに、

「あれ・・・・・・」

と言葉が続きます。絵は半ページいっぱいに描かれた男の子の顔。

顔は「むすっ」としていて、ご機嫌が悪いみたい。

この絵本を何度も読むうちに、このページで娘が必ず「じゃじゃ」と言うようになりました。しかも顔をしかめながら。

喃語の時期、同じタイミングで同じ言葉を使う。きっとこの絵に、言葉に反応してるんだ!と気がついた途端、「うわー、通じてる。ちゃんとこの子は分かってるんだ!」と嬉しくなったことを今でもすぐに思い出せます。

絵本を通して、心と心が通じ合った瞬間でした。

 

言葉が一言、二言出てくるようになると、今度は「あれ」と私が読んだあとに、山びこのように繰り返すようになりました。また、「あはは」と笑うところで一緒に笑ったりもしました。絵本の絵や言葉で綴られた物語を一緒に楽しむだけでなく、子どもの反応も楽しめる。教育そのものよりも、このやりとりがとても面白くなりました。

 

そうしていくうちに、絵本が一冊また一冊を増えました、時には、良質な絵本を揃えたセットの絵本も買いました。100冊になり200冊になり、食事や歯磨きのように絵本を親子で読むことが当たり前になった時、ふとこう思いました。

 

「絵本で子育てが楽しいことは十分に分かった。だけど、なぜこれほどまでに子どもだけでなく大人の心を惹きつけるんだろう。理由を知りたいな。」

 

当時、家庭用に絵本を買うだけでなく、子育て中の友人にも絵本をプレゼントしたり、すすめたりするようにもなりました。その時、どうやって読むか、どう選んだらいいか。自分の経験値では話せるけれど、体系的に話すことが難しいなと実感した時でもありました。

 

そして、以前から知人に聞いて興味を持っていたNPO法人「絵本で子育て」センターの「絵本講師養成講座」を受講することになったのです。

長女が6歳、次女が1歳の時でした。

 

誕生から就学前までの間、成長の節目はたくさんあります。絵本を読んでどんな風に感じるか、どうとらえるか。どう反応が出るか。その時の子どもの成長段階で、ずいぶん変わってくるのです(もちろん、子ども自身の捉え方もかなり違うでしょう)。色んな時期の子どもの反応を知りたくても、あっという間にその時期は過ぎてしまいます。

 

なので、次女が1歳前後の時、赤ちゃんから3歳児ぐらいまでの絵本は我が家にあまりありませんでした(多分、もう少し遅い時期から絵本で子育てを始めたのでしょう。講座を受講中は、講師や受講者の皆さんから色々な絵本を紹介してもらい、購入して自宅の本棚に据えるということを繰り返していました。赤ちゃん向けから大人向けまで。実に様々な絵本をたくさん用意しました。

 

理論を聞き、家庭で実践する・・・インプットとアウトプットが同時にできて、しかも色々な絵本の情報を入手できて、この年はとてもいい勉強になりましたね。

 

講座を修了してからは、自主開催や、保険を扱う企業からお招きを受け講座を開催したり、細々とやらせて頂いています。今月はお招き頂き、世田谷区の砧南小学校にて絵本講座をやります。題名は

「本で育む 本と育む 大人と子ども ホントのいい関係」

です。こちらで講座報告しますのでどうぞ読んでみてください!